世田谷区成城4丁目29番地。南北に細長い公園「野川緑地広場」には、現在、多くの犬が集うようになっています。緑地の整備と近年の犬ブームで、多くのワンちゃんが、周辺から野川遊歩道を含めたこの地域に来ています。公園整備と野川の自然が、この一帯を緑豊かなお散歩コースにしてくれたのです。
そのこと自体はすばらしいのですが、一方で、引き綱を放して(ノーリードで)ワンちゃんを遊ばせる人がいることも事実です。そのため、野川緑地広場には世田谷区による注意書きの看板が次々と立てられる事態となりました。
しかし、注意看板だけで問題は解決するのでしょうか。わたしたち住民有志は、この一帯が、小さな子どもや老人を含めた「人間」と「ペットたち」双方に優しい空間になることを望んでいます。人と犬の共生を考えるときだと思うのです。
この考え方に基づいて、2005年11月から住民有志による署名活動を始めました。
チラシには〈野川緑地広場【周辺地域】に、ドッグエリアを〉と書きました。犬がノーリードで遊べる小さなドッグランを作ることで、犬同士を遊ばせたい飼い主はそこへ、犬の散歩だけの方はマナーを守って子どもや老人に配慮する、という「共生」のための施設です。
2006年2月までに合計1000名を超える署名を世田谷区長宛に届けました。さらに事務局には追加署名が寄せられ、増え続けています。
06年3月には、都立ドッグランよりも小規模なものを、世田谷区立で喜多見・成城のどこかに設置するよう求めていくこと、そのためには、やはり飼い主のマナー向上が欠かせないことなどの意見交換を行う集会も開きました。
このグループは、ネット上で「野川ドッグエリア通信」を発行し、意識を共有、意見を交換しながら、ひととペットが共生できる理想の地域環境づくりを考えていく場所です