行政との交渉経緯

2007/3/24(ファックス5枚)

野川ドッグエリアの会 役員各位

 

事務局 吉田兼一

Fax03-3483-3284

前略

3月29日(木)16時から世田谷区の担当部長、課長との交渉が行われます。場所は、野川緑地広場の中ほどにある建物、旧・世田谷トラスト協会本部(現在の、財団法人世田谷トラストまちづくりビジターセンター)の会議室です。出席可能との連絡をいただいたのは、絹谷さん、荘司さん、高野さん、大野さん。欠席は堀さんです。

 今回の交渉は、先の3月7日の区長室長との交渉を受けて、担当課の公園緑地課・小野田課長が「今後継続的に交渉を持ちたい。ついては年度内に一度会合を開きたい」という申し出をしてきたため実現するものです。

 ついては、これに先立ち、過去の行政との交渉経緯を振り返るとともに、さきの3月7日の交渉記録をまとめました。あらためて目を通していただき、交渉に臨む準備をしていただきたく思います。お目通しください。

 

●これまでの経緯(行政との交渉に関連したもののみ記載/行政側の肩書きはそれぞれ当時のもの/会側は原則敬称略)

200511月    署名活動開始

    1117日 荘司の知人である下条区議(無所属)の紹介で、砧総合支所街づくり部長の井伊和子氏、同部土木課係長・外山正彦氏と、荘司・吉田の計4名で面談。はじめての行政との交渉。井伊部長はかなり慎重な姿勢で、ほとんど、実現性が低いと感じさせる話に終始。

    1220日 絹谷の知人である小畑区議(自民)の紹介で、集めた署名891名分を、直接、世田谷区区長室長へ提出。世田谷区側は、堀恵子・区長室長と五十嵐慎一・砧総合支所街づくり部土木課長。会側は、荘司・吉田。堀室長は、かなり前向きな姿勢。

2006年2月6日  追加署名139名分を小畑区議に託して区長室長に提出(1000名突破)。

    3月9日  3月25日に設定した第1回の集会に向け、行政にも出席を要請するが断られ、五十嵐土木課長から下記の内容の電話を受ける。

 

*土木課長の電話の内容

 みなさまの署名が入った「要望書」を受けて、すでに世田谷区では、『「人と飼い犬との共生」に関する準備会』を発足させ、対策を考え始めています。これは、署名を受けた区長が陣頭指揮をとって動いていることです。さらに、4月1日をもって、この「準備会」を「全庁的な検討会」へと発展させる予定です。「全庁的な」というのは、保健所やその他、多くの部署にまたがる事項なので、それらを横断して調整する、という意味です。

 3月25日の集まりに担当者を出席させられず、また書面を提出できないのは、4月1日に「検討会」が発足して、初めて区としての正式な取り組みが始まるので、それ以前に公式の見解を出すことを控えたいと思うからです。

 4月1日以降、「検討会」では、住民の皆様と区の担当者との話し合いを持ったり、ドッグエリアの社会実験などの取り組みを行っていくことになると思います。

 なにとぞご理解、ご協力をお願いいたします。

 

    3月25日  第1回集会。会の名称や役員を決定。この日までに、行政が前言を撤回して書面を提示(ファックス送信)。ただし、内容は抽象的なもの。

    4月     世田谷区の人事異動、機構改変で、担当部が、砧総合支所街づくり部から、新設された「みどりとみず政策担当部 公園緑地課」(各支所の公園行政を担当してきた部署を区役所に一本化)に変更される。

    7月26日  署名の第3段提出。区側は、西澤和夫・区長室長、井伊和子・みどりとみず政策担当部部長。会側は、絹谷、吉田。小畑区議立会い。世田谷区による住民意識調査で、ドッグランに「条件付で賛成」が圧倒的多数であることが明らかに。

    926日  砧支所の会議室にて「体験ドッグラン企画書」を提出。区側、井伊部長、小野田眞・公園緑地課長ほか2名。会側、大野、荘司として事業計画書を井伊部長側に提示。1119日(日)の実施を前提に交渉開始。

    1119日  「ワンコの訓練」体験教室開催。小野田課長、世田谷保健所の稲葉係長が臨場。

20071月     絹谷が、井伊部長と電話で交渉。井伊部長は、恒久的なドッグエリア施設設置に対して消極的な発言に終始。

    2月19日  熊本哲之区長の演説会に、小畑区議の紹介で、絹谷、大野らが”直訴”に行くも、署名簿副本の受け取りは断られる。

    37日   2月の”直訴”後、区長との面談を希望した結果、区長室長が対応することになり、絹谷、荘司、大野、吉田が面談(小畑区議は同席せず)。

 

                                  経過は以上。

 

 

 

 

 

●2007年3月7日 行政との交渉詳細、および、これまでの経緯

 

場所 世田谷区役所 第一庁舎3階 区長室応接室

出席 世田谷区:西澤和夫・区長室長

   会側:絹谷、荘司、大野、吉田(4名)

時間 午前11:301210

 

西澤室長 現在3月の定例議会開催中で、先日も公明党区議の方からドッグエリア設置について質問が出ました。答弁をしているのは井伊部長です。来年度(平成194月から)には、常設ではないかもしれませんが、ドッグエリアの設置をするということを答えています。ただし条件として周辺の理解を得ることが必要であるということです。

 

絹谷 井伊サンと話をしていても、理解がなくて話が前に進みません。たとえば、「犬の糞が野川の土手から全部なくならなければ作れない」などといわれました。理想はそうかもしれませんが、卵が先か鶏が先かといった議論をしていては「エリア」はできません。国分寺崖線の上と下で公園整備が進んでいますが、ほんのわずかのスペースをドッグエリアにすることがなぜできないのでしょう。「ひとりでも反対があったらできない」というのでしょうか。すくなくとも、井伊サンはそのような姿勢です。門前払いされたようなものです。

 

西澤室長 門前払いというのは事実でしょうか。事実なら担当部長として問題がありますが、区としては前向きに取り組む前提で、担当部が検討を行っているのですから、話し合いには応じるはずです。ただ、みなさまがた(野川ドッグエリアの会)が、周辺住民に認められる活動をしていただかないと、実現できないのも事実です。「区が施設を作りますから、皆さんご理解ください」とやるのではなく、(野川ドッグエリアの会を中心に)みなさんが実施に向けてルールを作り、反対する人などへの調整の必要が生じたとき、そのときに間に入るのが行政の役割であって、そのためにどういったお手伝いができるかということです。

 

絹谷 わたしたちは2000名近い署名を出しています。にもかかわらず実現していない。4丁目緑地や三ツ池の公園散策路整備は要望があって作っているのですか? あれを見ると足掛け3年、わたしたちは何をやってきたのかという思いです。

 

西澤室長 公園整備は、都市計画に基づいていますから…。みなさまは、まず昨年秋にしつけ教室を成功させました。つぎに、また教室を実施するなどして、段階を踏んで、うまく「エリア」を運営できるよう、実践されていますよね。

 

大野 わたしたちは、早くドッグエリアの設置を確定してほしいのです。

 

絹谷 先日の井伊部長との電話では、こんなことを言われました。

「可動式のフェンスを貸し出しますから、終わったら返してください。いまの、公演の敷地でやるなら、タイムシェア(時間帯限定)しかできません。フェンスを貸し出します。ただし、設置・撤収・返却などはすべて皆さんでやってください。そうした様子を見て、ドッグエリアを運営できる団体かどうか見させてもらいます」

しかし、一方で、日々新しい公園が造成されているじゃないですか。どうしてドッグエリアだけこんな手続きを踏まなければならないんですか。こちらには2000人近い要望があるんですよ。

世田谷区は、公園の敷地を持っているんですから作っていただけないか、といっているんです。いま、成城地域はひったくりが多くて安全パトロールが回っていますよね。ドッグエリアができれば、防犯にも役立ちます。ドッグエリアに犬を連れて地域の人が集まるとお互いの顔を覚えますし、知らない不審人物には吠えます。効果的ですよ。

マナーが先、行政はサポート、と言いますけど、ドッグエリアの設置を先にすることで生まれる効果もあるのです。

 

西澤 とにかく、みどりとみず政策担当部と話し合いを持ってみてはいかがでしょうか。電話ではなく直接話してみれば、行政はダメとはいわないはずです。たしかに、行政は腰が重い面があります。皆さんが「早くほしい」と言うのに対して、行政はどうしたら問題なく実現できるか、担当部は考えていると思うのです。みなさんが、行政が動かない、まどろっこしいと感じるのはわかりますが、目標は同じで、そのスピードが違うだけなのですから、どうか理解してください。

 

*このあとも、話し合いが続きましたが、話が堂々巡りになっているため、割愛します。ただ、西澤区長室長から「区長も気にしております。”ドッグエリアは実現しなければならない、ただ、そのためには、地域住民が納得するように調整しなければならない”と」という話がありました。「うまくいっていないなら、区長から所管(担当部)に注意させます」とも。

 あと、吉田が絹谷さんから聞いた「井伊部長は、(1月の電話で)訓練体験教室にたいしても住民からクレームがあったと言い出した」という話を元に、西澤区長室長に次のように言いました。

「わたしたちは、地域のマンションにもチラシを配るなどして広報活動していますが、クレームはわたしたちには来ない。行政に行くのです。だからこそ、西澤さんが言うように調整をお願いしたいわけですが、昨年の11月の訓練体験教室にクレームがあったという話を、1月になって持ち出される。それは、いかがなものでしょうか。”住民からこういう意見がありました。どのように理解を得ましょうか”という話は、すぐしていただかないと困ります。わたしたちには、情報が入らないのですから。対策の取りようがありません」

これに対しては、西澤区長室長は、事実だとすれば遺憾なので、井伊部長にちゃんと伝えますと言いました。

以上